資料が全くありませんが、法人の破産は可能ですか?
基本的に可能だと思います。資料がない場合として、数年前に廃業していてオフィスや店舗を明け渡すときに帳簿などを捨ててしまった、経営者が夜逃げをして資料はすべて置いてきてしまった、というような場合が考えられます。あるいは、最後のほうは会計資料をしっかり作っていなかった、という場合もあります。そうすると、法人破産に必要な帳簿や決算資料、銀行通帳、などがないので破産手続きができないのではないか、と心配する方もおられます。しかし、当事務所では、そのような案件についても破産手続きを成功させた事例があります。
実際のところ、破産手続きにおいては、まず、債権者を把握することが必要ですが、主に取引をしていた銀行や信用金庫については代表者の方は覚えておられると思うので、ご依頼後に弁護士から問い合わせをする(受任通知を送る)ことで債権の有無と残高について調べることができます。カード会社などについてうろ覚えの場合もあるかもしれませんが、その場合でも、受任通知を送って該当の有無を調べることができます。
また、帳簿類については、お手元にない場合、契約していた税理士事務所に問い合わせてみると一定の範囲内で保管されている場合もあります。税理士事務所にどこまでまかせていたかによるでしょう。また、法人破産においても通帳の写しを提出する必要がありますが、これについては、紛失している場合、銀行に問い合わせて取引履歴を出してもらえば問題ありません。それによってお金の動きもわかるので、帳簿の保存が不十分な場合でも倒産に至る過程を解明することがある程度できると思います。
なお、帳簿はあるけれども申告はしていない場合、申立てに先立って申告をしたほうが良い場合もあります。
資料がないと言っても様々な場合がありますが、ほとんど資料がない場合でも、上記のような方法で資料を集めて申立書を作成していくことは可能です。まずは、弁護士にご相談ください。