1、はじめに
法人破産については、債権債務関係が複雑な場合が多いこと、不動産や預貯金などの資産があるケースも多いこと、管財事件になること、などからそれなりに費用が掛かります。もちろん、その費用は、法人の規模、債権者の数、現に営業しているかどうか、などさまざまな要素で決められるので、ケースにより異なり、それほど高額にならないこともあります。とはいえ、資金が不足しているからこそ破産手続きをとるわけで、どのようにして費用を払うか、は悩ましいところでしょう。
2、法人破産はどれくらいの費用が掛かるか?
法人破産の弁護士費用はケースによりまちまちです。当事務所の場合、弁護士費用は、令和6年11月時点で、代表者の分も込みで
・休眠法人(すでに事業を停止している法人)の場合は、80万円(税込88万円)
・事業継続中の場合、100万円(税込み110万円)前後
を目安とさせていただいています。
*代表者の破産が必要ない場合は、休眠法人の場合、50万円(税込55万円)程度でできる場合もあります。
ただ、法人の場合は、様々な要素により業務量に違いがあるため、費用もそれに応じて決めさせていただく必要があり、あくまで上記は目安です。
例えば、実質的に個人事業と同視できるような場合には、状況により、もう少し割引をできる場合もあります。一方、債権者数が多い場合や資産が多数ある場合、従業員数が多い場合、現に動いていて業務を止める時点で対応するべき事項が多数ある場合、などにはもう少し多めになることもあります。それについては、ご依頼の際に協議の上、契約書で定めることとなります。
ただ、いずれにせよ、弁護士費用以外に、管財人に支払う予納金と、裁判所の印紙・郵券代、官報公告費などの実費も必要となります。管財予納金は少額管財だと原則20万円、というのが東京地裁の扱いですが、債権者数が多い場合など管財人業務が多い場合はもう少し高額になることもあります。最近は管財予納金は法人破産の場合個人分を含めて25万円のことも多いように思います。
また、法人の資産は、弁護士費用等を差し引いて残りを管財人に引き継ぐことになります。管財人は、その資産の一部を予納金など手続き費用に充てますが(それゆえ、法人に資産が充分ある時は予納金を別途用意する必要はありません)、残りを換価して債権者に配当します。(配当するほどの資産がない場合もあります)
3、費用はどのようにして支払うか?
では、上記のような費用をどのようにして準備すればよいのでしょうか? 大まかにいうと、
・法人に残っている資産(預貯金など)から支払う
・売掛金を回収して充当する
・貸付金を回収して充当する
・保険を解約して返戻金を当てる
・代表者が他のところで働いて分割で支払う
・代表者の親族などから援助してもらう
などの方法が考えられます。
4、早めにご相談を
早めにご相談だと、売掛金を回収して充当する、保険の解約返戻金を充てる、預貯金を充てる、などの方法をとれるケースも珍しくありません。しかし、売り上げが落ちてきて、預貯金や解約返戻金はすでに使ってしまい、他に資産もない場合は、費用の準備に時間がかかることも考えられます。そういった事態を避けるために、早めのご相談が望ましいと言えます。
当事務所では、法人破産など、債務に関する問題は、相談料無料です。まずはお電話か電子メールでご予約の上、当事務所までご来訪ください。
2020年コラム一覧に戻る