法人破産において当事務所が心掛けていること
法人破産において、当事務所が心掛けているのは以下の点です。
1、迅速な対応
法人破産は、特に現に企業が動いている場合、債権者への対応をはじめ、速やかに進めないと、大きなトラブルになりかねません。そこで、当事務所ではご依頼を頂ければ速やかに申立てをできる体制を整えています。
もっとも、裁判所への申立て前には何らかの方法で費用を頂く必要がありますが、その点も含めてタイミングを図り、ご依頼後はできるだけ速やかに裁判所に申立てを行い管財人に引き継げるように、迅速な業務を心掛けています。
2 費用についての明確な説明
どんな手続きでも、最初にどの程度費用が掛かるかわからないと不安になると思います。そこで、費用(弁護士報酬)については最初に明確に説明して、契約書にも記載します。報酬の決定方法は、法人の規模、債権者数や債権者の性質、資産の種類や量、など弁護士業務の多さに応じて、協議して決定します。上記のように決定して契約書に記載すれば、弁護士費用が後から変動することはありません。
*上記は弁護士費用の話であり、実費の額は事前に不明な部分もあります。
3,債権者についての情報の網羅的な調査
一部の債権者が抜けていると、そこにだけ支払ってしまい、偏波弁済が生じかねません。そこで、当事務所では、法人破産のご依頼の際には、債権者の漏れがないように、丁寧に聞き取りを行い、関連する資料を頂いて確認します。個人の破産でも同じですが、法人は取引先など金融機関以外の債権者が多数存在することも多いので、特に注意深く確認しています。
4, 資産の正確な把握と確実な保全
法人の資産を正確に把握して、裁判所に説明し、さらに管財人に引き渡さないといけません。そのために、代表者の方や協力してくれる従業員の方から丁寧に聞き取り、正確なリストをつくって申立書に添付します。通常は申立代理人弁護士がオフィスや工場など事業所に行き資産の状況を確認しますが、後述する隠密型の場合は事前に事業所に訪れると従業員や取引先に意図がわかってしまう恐れがあるので、その場合は、実際に弁護士が現地を訪れるのが申立て後になることもあります。しかし、その場合でも、資料や代表者の方からの聞き取りなどにより把握をすることに変わりはありません。
また、法人の資産は管財人に引き渡さないといけません。特に、ここで問題になるのが、パソコン、机、機械、などの動産です。これらは、開始決定がなされて管財人が選任されるまでは申立代理人が法人に指示して確実に保管する必要があります。そのためには、資産価値があるものは鍵がかかるところに入れて、鍵は事務所で預かります。細かい資産についても正確に把握し、管財人に引き渡せるように、調査と管理を丁寧に行ないます。
なお、資産の保全が物理的に難しい場合は、開始決定が出るまでに取引先等に露見しないように、いわゆる隠密型で申立てることを検討する必要があります。
5, 売掛金についての情報の漏れのない聞き取りと、確実な回収
法人の場合、破産申し立てのために事業を停止しても、その時点では未回収の債権が多く残っている場合があります。これらは法人資産であり、場合によってはそこから手続き費用を捻出し、また、残りも破産管財人に引き継がなくてはいけません。そこで、当事務所では、法人の経理担当者に聞き取る等して売掛金の確実な把握を計り、弁済期が来ているものは可能な限り回収して(費用に充てた分を除き)確実に破産管財人に引き継げるように管理しています。
弁済期が来ていないなどの理由で回収できないものについても、管財人に情報を提供することで回収業務に支障がないようにします。
6, 従業員の関係
従業員との関係では、一方では早めに伝わって動揺を招いてはいけないという意味で配慮が必要ですが、同時に、できるだけ従業員が給与を受け取れるようにすることも重要だと考えます。ここで、従業員の給与は開始決定前3か月に生じたものは財団債権となり、破産の手続きによる配当ではなく、手続き外で支払うことが認められます。また、未払い分については一定限度で公的な立て替え払いの対象となります。しかし、解雇予告手当は破産債権であり財団債権のように最優先で支払われるわけではなく、立て替え払いの対象にならないため、給与全額を支払えない場合は解雇予告手当を先に支払うという工夫も必要だと考えます。
もちろん、給与も含めて全額を支払えれば従業員のためには最も良いのですが、資金に余裕がない場合は、このような方法で従業員の損失を最小限に抑えることができると思います。
経営者の方もほとんどの場合、従業員の生活を心配しておられるのですが、当事務所としても、その点には、できる限り、配慮して進めたいと考えています。
7, 経営者の方に関して
まず、経営者の方が保証人になっている場合は、基本的に、経営者の方についても破産など何らかの手続きが必要な場合が大半です。経営者の方の債務整理の方法についても、丁寧に聞き取り、良い方法を探るように心がけています。多くの場合は、破産手続きを取らざるを得ないのですが、その場合でも、破産手続きに関する不安をできるだけ解消いただけるように、丁寧な説明を心掛けています。
8, 相談に丁寧に対応する
法人破産の場合、代表者の方は会社を失うことになり、時には代表者も同時に破産という形で、今後に不安を感じておられると思います。債権者や取引先からクレームが来ないか、代表者も破産の場合いつまで自宅に住んでいていいのか、裁判所ではどういう手続きが行われるのか、など不安は尽きないと思います。あるいは、いずれ再度起業をしてよいのか、今後何か制限があるのか、など悩むこともあると思います。そこで、手続きに関して、細かな疑問にも丁寧に答えることで、できるだけ不安を解消して頂けるように努めています。
たしかに、弁護士に依頼すればすぐにすべて解決というわけではなく、手続きが終わるまで、いろいろと悩むこともあると思います。代表者の方は会社を失うことで大きく環境が変わるし、会社はなくなっても今後の生活の再建をしていかないといけないので、悩むのは当然です。それでもできるだけ先に希望を見出せるように、弁護士や、担当事務員が丁寧に対応することを心掛けているので、手続きに関して、少しでも疑問や不安を感じたら、お尋ね頂ければ、と思います。
なお、破産管財人との面談、債権者集会、などの手続きには必ず弁護士が同席することになっているので、ご安心ください。
9、経験を活かした業務
これまでの案件の経験に照らして、今後起きそうな問題を予測し、あらかじめ対策をとることを心掛けています。相談段階から、受任、申立て、開始決定開始後に至るまで、各段階でどのような問題が起きうるかは、これまでの法人破産案件の経験である程度予測が付きます。そこで、慌ただしい法人破産申し立ての時間的な制約の中でも、過去の案件を思い出し、同じところで躓くことがないように、万全の対策をとって業務を進めるようにしています。特に、同業種の事案、類似の状況にあった案件を参考に、より適切で迅速な業務ができるように心がけています。
当事務所では、これまで、建設業界、飲食業界、教育関係、製造業、など様々な業種の法人破産を扱ってきました。豊富な経験を活かし、個々の案件に対応させて頂きます。
10、繰り返し利用可能な無料相談
当事務所では、債務に関する相談は何回でも無料です。法人破産については、実際に踏み切るか、迷っていたり、タイミングを悩んでいたり、というような事情で、何度も相談してから依頼するかどうか決めたいという方も多くおられます。当事務所は、まだ迷っている、悩んでいる、という方のお話も丁寧にお聞きします。