少額の債権を1回ないし数回で払う再生計画案は可能ですか?
はい、条件によっては認められます。これは債権者平等原則の例外として、民事再生法が認めたものです。(244条、229条1項)。
このような定めが合理的なのは、以下のような例を考えるとわかります。例えば、弁済率が20%の場合、もともとの債務が10万円の債権者については2万円だけ弁済すればよいことになりますが、3年36回での返済にすると、毎月の返済額が数百円程度になります。
そうすると、毎回数百円の支払いのために金融機関の送金手数料がかかることになり、もったいないと感じるでしょう。しかし、36回均等で支払う再生計画案を立てておきつつ一部の債権者だけ実際には数回で払うことは認められません。あくまで認可された再生計画案に従って支払わないといけないからです。
そこで、少額の債権だけ先に支払いたい場合は、再生計画案にその旨定める必要があります。明確にいくら以下であれば認められるかということは条文には出ていませんが、実務では均等に支払うと数百円以下の弁済になる場合に認める運用になっているようです。(裁判所により若干運用が異なる可能性はあります)
そのような支払方法を定める場合には、再生計画案本文にその旨記載して、かつ、再生計画案に添付する返済計画表にも各回の返済回数について上記を反映した記載をすることになります。弁護士に依頼している場合、再生計画案の作成は弁護士が行いますので、上記のような返済方法を希望する場合は弁護士に伝えてみると良いでしょう。あるいは、先に弁護士からお話があるかもしれません。