クレディセゾンに対する過払い金返還請求
1,クレディセゾンで過払い金が出る場合
クレディセゾンとの取引で過払い金が出る可能性があるのは、2007年以前からキャッシングでの取引をしていた場合です。なぜなら、2007年の途中で新規契約の貸付利率を利息制限法内に下げているからです。また、ショッピングのみの場合は時期を問わず過払い金は発生しません。
なお、2007年以前からのキャッシングでも取引によっては当初から適法利率のことがあるので、過払い金の有無を明確にするためには、取引履歴を取り寄せて調査をする必要があります。もちろん、過払い金回収を御依頼の場合は、その調査も当事務所がクレディセゾンに対して連絡して履歴を取り寄せて計算するという形で行います。
弁護士が介入すると、クレディセゾンは、過払い金の額も計算した取引履歴を送ってきますが、過払い金に対する利息(民事法定利率による利息。改正前の規定が適用される場合は年5%。今の時点では改正前の法適用のケースが多いので、以下もそれを前提に記載します)は含まれない計算になっており、また、分断計算などは業者主張に基づく計算になっているので、当事務所でも再度入力して、利息込み、一連計算の計算も行い、交渉に臨むようにしています。
2,クレディセゾンとは?
クレディセゾンは大手のカード会社のうちの1社で、株式会社クレディセゾンが正式名称ですが、セゾン、とか、セゾンカード、と呼ぶ方も多いです。また、かつて別会社のユーシー・カードが発行していたUCカードも今はクレディセゾンのブランドです。
消費者金融とは違い、基本的にショッピングもできるカードを発行していますが、そのカードのキャッシングを利用されている方も多くおられます。そのような場合に、取引開始時期によっては、過払い金が発生している可能性があります。
なお、セゾンファンデックスは系列会社であり、同様に過払い金が発生することがあります。
3,カード名称は?
セゾンカードが有名です。カードに大きくSAISONとデザインされているカードが多いようです。(Oが二重丸になっています) 他に、UCカードも発行しています。UCは古い時期には別会社でしたが、今はいずれもクレディセゾンが発行元となっていますが、UCの名称も存続しています。
取引履歴を開示請求すれば、いずれの履歴も開示されるので、複数のカードで過払いが発生していれば、同時に過払い金返還を請求することができます。
4,クレディセゾンの過払い金返還請求に対する対応は?
クレディセゾンの過払い金返還への対応は、比較的よく、任意交渉でも、過払い金元金に、年5%の利息を一部付けた額で和解できることが多いです。返還日も和解から3か月程度で、標準的なところです。任意交渉の段階で利息をある程度付けてくれることが多い点で対応は良いほうだと言えます。
ただ、同じ契約でも取引に空白があってある程度以上の長さだと、分断計算の主張がされることはあります。分断の主張がされた場合でも、その空白期間の長さ等によっては、交渉により、中間的なところで和解が出来ることもあります。
また、UCカードの取引だと基本は1回払いの取引の繰り返しなので、各回の返済から時効が進行するという主張をしてくることが一般的です。これは法律上の争点であり、交渉または訴訟により中間的な解決に至ったケースもあります。
*以上は当事務所でこれまでに交渉等を行なってきた際の一般的な話であり、どの案件でも同じ結果になるとは限りません。また、業者の対応が変わる場合もございます。
5,取引履歴の一部未開示と推定計算
クレディセゾンの場合、平成初期のかなり古い時期の取引履歴については、取引履歴について、開示してこないことがあります。一般に、セゾンカードの取引だと平成3年5月以降の履歴しか開示して来ず、それ以前から取引がある場合には冒頭(平成3年5月の時点)の数値は根拠がないものとしてゼロ推定(冒頭ゼロ計算)で請求することが考えられます。 ただ、裁判所がそれを認めるかはわからず、結局、冒頭残高を前提とした判断になる可能性もあります。
また、以前は、過払い金返還請求訴訟を提起すると、提訴後にクレディセゾン側から推定計算を提示してくれて和解になるということもありました。
6,クレディセゾンに対する過払い金返還請求については弁護士にご相談を
クレディセゾンについては、古い時期からの取引の場合、過払い金が発生しているケースが多いようです。また、取引期間が長いと、それなりに大きな額になることも珍しくありません。そのような場合には、過払い金に対する利息も大きくなりがちですが、それも含めて返還を求める場合は、利息込みの計算を行なったうえで交渉する必要があります。また、上記のように、冒頭ゼロ計算、分断、などの論点が生じる場合もあります。さらに、UCカードの取引については上記のように時効の起算点についても論点があります。
このような法的な論点を考慮しつつ交渉していくことで有利な解決につながることも珍しくないので、弁護士にご依頼頂くことをお勧めします。当事務所では、そのようなケースも含めて、クレディセゾンに対する過払い金返還請求を多く扱ってきました。
クレディセゾンに対する過払い金があるかも、と思われた方は、ぜひご相談ください。当事務所は過払い金については、相談だけなら無料です。