1、過払い金というと消費者金融のイメージが強いけど
過払い金というと、アコム、プロミス、レイク、アイフル、CFJ(もとのディック、ユニマット、アイク、など)など消費者金融との取引で発生するイメージが強いですが、ニコス、オリコ、クレディセゾン、エポス、などのカード会社の場合も過払い金はあるでしょうか?
2、そもそも過払い金とは?
過払い金は、利息制限法の上限利率を超える取引をしていた場合に発生しうるものです。利息制限法の上限利率は、元金が10万円未満だと20%、10万円以上100万円未満だと18%、100万円以上だと15%です。(ただし、一度その金額を超えると、利率は再度上がることはありません。例えば、一度100万円以上になると、15%のままで、返済により元金が減っても18%には戻りません)
利息制限法の上限を超える利率で返済した分については、元金の返済に充てたとみなして計算する(引き直し計算)と完済になった上に払い過ぎであることがわかり返還請求ができる場合に、その返還請求できるお金を「過払い金」というわけです。この、過払いの理論的な面は、消費者金融でもカード会社でも同じように適用されます。
そこで、カード会社でも過払い金が発生しうるかどうかは、そのカード会社との取引が利息制限法の上限利率を超える利率で行われていたかどうか、ということになるのですが、かつて、大手のカード会社も、消費者金融と同様に、利息制限法を超える利率で貸し付けを行っていました。すなわち、2007年頃までは、オリコ(オリエントコーポレーション)、ニコス(もとの日本信販)、エポス(もとの丸井)、クレディセゾン、アプラス、セディナ(もとのOMC,セントラルファイナンス、クオーク。現在のSMBCファイナンスサービス)、ニッセン、などの大手カード会社は20%を超える利率で貸し付けをしていたため、その時期の取引だと過払い金が発生することが良くあります。(法改正でグレーゾーン金利が撤廃されたのは2010年6月ですが、大手のカード会社はそれに先んじて2007年頃から新規契約の利率を下げたケースが多いようです)
もちろん、上記以外のカード会社でも、同様に高い利率での取引があった場合には、過払い金が発生する可能性があります。なお、ジャックスは1990年代後半に利率を下げているので、かなり古い取引の場合にしか過払い金は発生しません。
3、キャッシング取引の場合に限られます
過払い金が発生するのは、キャッシング取引に適用される利息制限法の問題なので、ショッピング取引では過払い金は発生しません。また、実際、ショッピングの場合は、それほど高い利率ではない場合がほとんどです。したがって、カード会社の場合でも過払い金は発生しうるものの、キャッシング取引の場合に限られるということができます。
4、まとめ
以上をまとめると、カード会社でも過払い金が発生することはありますが、キャッシングの場合に限られ、また利率が高かった時期の取引があることが必須だと言えます。ただ、最近は利率が下がっていても、取引の初期にグレーゾーン金利で借りていた場合は過払い金が発生している可能性があります。それゆえ、古い時期からキャッシングをしていて、過払い金があるかもしれない、という場合は、まずは弁護士にご相談ください。当事務所では、過払い金については相談だけなら無料となっていますので、まずはお電話か電子メールでご予約の上、ご来訪、ご相談頂ければ、と思います。