近年の借入だと最初から適法利率であるため、過払い金は発生しません。そういう場合でも、任意整理のメリットはあるでしょうか?
確かに、そういう場合、元金は減りません。しかし、ほとんどの場合、和解以後の利息をゼロにすることができます。それによって、最終的に返済する総額は少なめにすることができます。
さらに、月々の返済額を交渉で決めることができるという点も大きなメリットです。例えば、もともとの債務が300万円で、毎月10万円返済していたとします。返済が厳しいということで任意整理を行うと、もし、5年分割で和解出来た場合、60回払いですので、債務額が300万円だと月々5万円の返済になります。毎月10万円の返済が厳しくても5万円であれば家計に余裕ができるという場合は、それによって生活再建ができます。もちろん、これは一例であり、必ず60回分割に応じてもらえるとは限りませんが、一方、60回を超える長期分割に応じてもらえる場合もあり、60回というのは一つの目安になっています。家計の状況、債務総額、どの業者か、などによっても何回分割まで応じてもらえるかは異なってくるので、何年で払えるなら任意整理で解決できる、というようなことを一概にいうのは難しいですが、一般的な目安は5年でしょう。ただ、個別のケースについてはご相談いただければ、任意整理でうまくいく可能性が高いかどうかについてはお答えさせて頂きます。
任意整理は、破産や再生と異なり、家族や友人からの借り入れを整理対象から外したり、車のローンを対象にしないこともできる、など柔軟に進めることができる点がメリットです。また、基本的に裁判所が関与しない手続きなので、手間がかからないというメリットもあります。
以上のように、過払い金がない場合でも、返済する総額を減らせる、月々の支払額を交渉で決めることができる、という意味で、任意整理は生活再建に役立つことが多いです。それゆえ、2010年6月の法改正以降の借入であったり、ショッピングのみであったり、銀行の借入であるなど、過払い金の発生の可能性がない場合においても、返済が困難な場合には、まずは任意整理を検討してみると良いでしょう。もちろん、状況により民事再生や自己破産の方が良いこともあります。個別の案件については、まずは、弁護士にご相談ください。当事務所でも多くの任意整理の案件を扱ってきました。債務整理や過払い金については、相談だけなら無料です。